要点まとめ
- 顔の老化には、皮膚のたるみ、ボリュームの減少、しわ、日光による皮膚のダメージがあわせて関わっており、手術はたるみとボリュームには対処できても、肌のきめまですべて整えることはできません[1]。
- フェイスリフトとレーザーリサーフェシング(レーザーによる肌の再生治療)を同時に行うことには、かつて安全性への懸念がありましたが、現在は適切に行えば安全に組み合わせられるという根拠が多いとまとめられています[1]。
- ヒアルロン酸とカルシウムハイドロキシアパタイトを組み合わせる治療では、高い満足度と軽い副作用が報告されましたが、6か月以降は効果と満足度が少しずつ下がる傾向がありました[2]。
- 血小板濃縮物を用いた肌の若返りは、おおむねよい結果が報告されていますが、研究の質が低いという限界があります[3]。
なぜ複数の方法を組み合わせるのですか
顔の老化は、ひとつの変化だけで起こるものではありません。皮膚がゆるみ、ボリュームが減り、しわができ、日光による皮膚のダメージ(日光弾性線維症、solar elastosis)が積み重なる過程が、同時に進みます[1]。手術はたるんだ皮膚に対処し、ボリュームを取り戻すことはできても、肌のきめまですべて整えることはできないと説明されています[1]。
そこで、異なる層に働きかける方法を組み合わせるアプローチが用いられます。複数の低侵襲の施術を組み合わせる目的は、できるだけ効果的かつ安全に、調和のとれた自然な結果を得ることだと説明されています[4]。顔の上部や目元のように複雑でよく動く部位では、くぼんだところを満たし、しわを整え、色素を改善し、表情を損なわずに筋肉の動きをやわらげる、いくつもの方法を組み合わせる必要があるという見解もあります[5]。
フェイスリフトとレーザーを組み合わせる場合
かつては、フェイスリフトとレーザーリサーフェシング(laser resurfacing)を同時に行うことが安全かどうかについて懸念がありました[1]。2021年のレビューは、現在ではこの組み合わせを安全に用いることができるという根拠が多く、適切に行えば、2つの方法が互いに相乗効果を生みうるとまとめています[1]。
同じレビューは、さまざまなレーザーのうちどれを、どのように手術と安全に組み合わせるか、そして合併症を減らすには、どのような状況やどのような患者さんに合うのかを見きわめる過程もあわせて取り上げています[1]。そのため、組み合わせるかどうかは、肌の状態と手術の計画をあわせて見たうえで決めることになります。
注射による施術と糸を組み合わせる場合
ボツリヌストキシンとフィラーは、安全性と幅広い用途から、顔の老化の改善で多く選ばれる方法になり、最近では、下がった組織の位置を整える溶ける糸(bioabsorbable thread)もあわせて用いられています[4]。より長続きする自然な結果を得るために、糸、フィラー、ボツリヌストキシンを組み合わせる医師も増えています[4]。この文献は、解剖学的な目印、施術どうしの間隔、施術前後のケアについての著者らの経験をまとめたものです[4]。
フィラーどうしを組み合わせる方法も研究されています。2025年のシステマティックレビューは、ヒアルロン酸(HA)とカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHA)をそれぞれ別に注入して併用する治療や、1本の注射器に混ぜて使う治療を検討しました[2]。この組み合わせは異なる経路でコラーゲンの生成を促し、顔のさまざまな部位で、高い美容効果と満足度、自然に治まる軽い副作用が報告されました[2]。ただし、6か月以降は美容上の改善と満足度が少しずつ下がる傾向が見られ、研究ごとの違いが大きかったため、数値を統合することはできず、質的にまとめるにとどまりました[2]。
顔の上部では、ボツリヌストキシン、フィラー、レーザー、IPL(強力パルス光、intense pulsed light)、マイクロフォーカス超音波、マイクロニードルによるフラクショナル高周波を組み合わせる戦略が紹介されています[5]。著者らは、安全のための推奨を守れば、経験のある医師がこれらの方法を安全に組み合わせることができ、一度に複数の施術を行えば、何回かに分けて通院する場合よりも短い期間で大きな改善が得られ、全体の回復期間も短くなるため、満足度が高まると考えています[5]。これは、文献の検討と著者らの臨床経験にもとづく結論です。
肌の再生治療との組み合わせ
多血小板血漿(platelet-rich plasma、PRP)は、ご自身の血液から血小板と成長因子を高い濃度で集めたもので、レーザー、マイクロニードル、フィラー、自家脂肪注入と組み合わせると、相乗効果によって美容上の結果がよくなると説明されています[6]。同じ文献は、今後、目的となる症状ごとにPRP治療の方法を標準化する研究が必要だとしています[6]。
自己血小板濃縮物(autologous platelet concentrates)を扱った2022年のレビューは、100件の資料を検討し、肌の若返りに安全で、体への負担も少ないとしていますが、結果がおおむねよくても、研究の質は低いと評価しています[3]。適切な経過観察の期間を設けた質の高い臨床試験がさらに必要だというのが結論でした[3]。
メソセラピーとマイクロニードルの施術は人気が高まっていますが、効果と長期的な結果についての研究は追いついていないと指摘されています[7]。ケミカルピーリングは顔の若返りの方法のなかでも古くからあるもののひとつで、薬剤の種類や強さ、使い方を調整して、一人ひとりに合わせることができます[7]。
組み合わせるときのリスク
複数の方法を組み合わせると、それぞれの方法のリスクもあわせて伴います。フィラーの使用が増えるにつれて関連する合併症の報告も増えており、ほとんどは軽く一時的なものですが、深刻で長引く合併症も見られています[8]。主な合併症としては、色素の変化、過敏反応、感染、しこり(結節)、肉芽腫反応、血管の閉塞、フィラーの移動が挙げられています[8]。
同じ文献は、合併症の予防と対処の戦略をよく理解していてこそ、患者さんにあらかじめ備えてもらい、問題が起きたときに効果的に対応できると強調しています[8]。組み合わせる治療では、回復期間を短くするために、それぞれの施術の間隔を適切にあけることも計画に含まれます[4]。
カウンセリングで確認したいこと
今回参考にした資料の多くは、レビューと著者らの経験をまとめたもので、組み合わせる治療と単独の治療を直接比較したランダム化研究の結果は、論文の要旨からは確認できませんでした。2025年のシステマティックレビューも、今後は厳密に設計された研究によって、長期的な安全性と効果の根拠を積み重ねる必要があるとしています[2]。どの組み合わせが合うかは、老化の現れ方、肌の状態、回復にあてられる時間によって人それぞれ異なるため、診察では次の内容を確認してみてください。
- ご自身の老化が、たるみ、ボリュームの減少、しわ、肌のきめのうち、どれに近いか
- 組み合わせる施術の順番と間隔
- 施術ごとの回復期間と、合わせた全体の回復期間
- フィラーによる合併症が起きたときの対処方法
- それぞれの方法の根拠のレベルと、期待できる範囲
よくある質問
- いくつかの施術を一度に受けても大丈夫ですか?
- 顔の上部の組み合わせ治療を扱ったレビューは、安全のための推奨を守れば、経験のある医師が複数の方法を安全に組み合わせることができ、一度に行えば全体の回復期間が短くなって満足度が高まると考えています[5]。ただし、これは文献の検討と著者の経験にもとづく結論であり、すべての組み合わせに当てはまるわけではありません。肌の状態や施術の種類によっては、分けて受けたほうがよい場合もあります。
参考文献
- Hessler JL, Trujillo O. Combining Laser Resurfacing and Facial Rejuvenation Surgery. Facial Plast Surg. 2021.PubMed 33845493DOI
- Meçani R, Amiri M, Kadouch J, et al. Combined and Hybrid Treatments of Hyaluronic Acid (HA) and Calcium Hydroxylapatite (CaHA): A Systematic Review of Mechanisms of Action, Aesthetic Effectiveness, Satisfaction, and Safety Profile. Aesthetic Plast Surg. 2025.PubMed 40481158DOI
- Buzalaf MAR, Levy FM. Autologous platelet concentrates for facial rejuvenation. J Appl Oral Sci. 2022.PubMed 36074433DOI
- Moon H, Fundaro SP, Goh CL, et al. A Review on the Combined Use of Soft Tissue Filler, Suspension Threads, and Botulinum Toxin for Facial Rejuvenation. J Cutan Aesthet Surg. 2021.PubMed 34566355DOI
- Langelier N, Beleznay K, Woodward J. Rejuvenation of the Upper Face and Periocular Region: Combining Neuromodulator, Facial Filler, Laser, Light, and Energy-Based Therapies for Optimal Results. Dermatol Surg. 2016.PubMed 27128248DOI
- Emer J. Platelet-Rich Plasma (PRP): Current Applications in Dermatology. Skin Therapy Lett. 2019.PubMed 31584784
- Lee JC, Daniels MA, Roth MZ. Mesotherapy, Microneedling, and Chemical Peels. Clin Plast Surg. 2016.PubMed 27363773DOI
- Chiang YZ, Pierone G, Al-Niaimi F. Dermal fillers: pathophysiology, prevention and treatment of complications. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2017.PubMed 27662522DOI
この記事は、DOY JUN美容外科が海外の学術誌に掲載された論文の要約(抄録)をもとに韓国語でまとめた一般的な健康情報を、翻訳したものです。治療方法や結果は個人の状態によって異なるため、正確な診断と治療計画は専門医へのご相談でご確認ください。

