要点まとめ
- しわは、真皮が薄くなる変化(真皮の萎縮、dermal atrophy)と、その下にある顔の筋肉の繰り返しの収縮が重なってできます[1]。
- 顔の老化はおもに、軟部組織が下へ下がる変化とボリュームの減少から生じるとまとめられており[2]、眉の下がりもこうした老化による変化と関係しています。
- ボツリヌストキシン(botulinum toxin)注射の効果は、約2週間かけて現れ、3〜4か月続くと説明されています[1]。
- 眉の下がりがはっきりしている場合は、内視鏡額リフトや、直接法による眉の挙上術といった手術が検討されます[3, 4]。
- 眉と上まぶたはひとつの単位として評価する必要があり、手術の前に左右差やまぶたの下がり(眼瞼下垂)をあらかじめ確認しておくことが大切です[5]。
額のしわと眉の下がりは、なぜ起こるのですか
額の横じわは、眉を持ち上げる額の筋肉が繰り返し動くことでできて、年齢とともに深くなっていきます。2014年のレビューは、しわが、真皮の萎縮と、その下にある顔の筋肉の繰り返しの収縮によってつくられると説明しています[1]。
眉の下がりは、おもに老化と関係しています。高齢の方の顔の美容外科手術を扱った2018年のレビューは、顔の老化がおもに、軟部組織が下へ下がる変化とボリュームの減少から生じるとまとめています[2]。眉が下がると上まぶたが重たく見え、それを補おうとして額に力を入れる癖が、額のしわをさらに深くすることがあります。
表情を動かしたときだけ見えるしわを動的なしわ(dynamic wrinkle)、何もしていなくても見えるしわを静的なしわ(static wrinkle)と呼びます[1]。この区別は、治療の方法を選ぶうえで大切です。
しわとたるみを分けて評価します
額のしわ、眉の下がり、上まぶたの皮膚のたるみは互いに関係し合っているため、ひとつだけを見て判断することは難しいものです。2016年のレビューは、眉と上まぶたをひとつの美容上の単位としてとらえ、解剖学的な構造と老化の過程を理解したうえで、目のまわりで余っているものと足りないものをきちんと評価してこそ、適切な手術計画を立てられると説明しています[5]。
同じレビューは、手術の前に、もともとある左右差やまぶたの下がり(眼瞼下垂、ptosis)を見つけてあらかじめ話し合い、条件をそろえて撮影した写真をもとに、希望する結果と現実的な期待について率直に話し合うことが大切だと強調しています[5]。高齢の方の顔の手術を扱ったレビューも、それぞれの部位を個別に評価すると同時に、顔全体をあわせて見ることで、自然な結果が得られると考えています[2]。
ボツリヌストキシン注射
ボツリヌストキシンは、神経と筋肉が接する部分でアセチルコリンの放出を妨げ、筋肉をゆるめる物質です[1]。動きすぎている特定の筋肉に少量を注射すると、その部分の筋肉がゆるみ、上にある皮膚がのびて、しわが減ります[1]。
2014年のレビューによると、眉間のしわ、目尻のしわ、額の横じわの治療は、結果を予測しやすく、副作用が少なく、満足度が高い傾向があります[1]。効果は約2週間かけて十分に現れて3〜4か月続き、表情を動かしたときにできる動的なしわのほうが、静的なしわよりもはっきりとした改善が見られます[1]。この資料は、アメリカの診療環境をもとにしたものです。
注射の後に、軽い内出血が出ることがあります[1]。まれに、一時的なまぶたの下がり(blepharoptosis)や眉の下がりが起こることがありますが、これは施術の手技に関係する合併症で、施術する医師の熟練度が高いほど少なくなると説明されています[1]。もともと眉の位置が低い方は、注入する位置と量を特に慎重に決める必要があります。
ケロイドがある場合、重症筋無力症(myasthenia gravis)のような神経と筋肉の病気がある場合、製品の成分にアレルギーがある場合、身体醜形障害(body dysmorphic disorder)がある場合は、注射を避けるべきだとまとめられています[1]。
眉の挙上術の種類
眉の下がりがはっきりしている場合は、手術で眉の位置を上げる方法が検討されます。直接法による眉の挙上術(direct browlift)は、眉の上やまわりを切開するいくつかの手技をまとめた呼び方で、古典的な方法では、眉毛の生えている部分の内側やすぐ上で、皮膚と皮下組織を楕円形に取り除きます[4]。
この方法は、眉の外側の下がりだけを修正するように変えたり、切開を額の中ほどや二重のラインに置いたり、左右で切開の位置を変えて左右差を整えたりと、さまざまに応用できます[4]。切開の位置、縫合の方法、手術後のケアに細やかに気を配れば、場合によっては傷あとがほとんど見えなくなることもあると説明されていますが、すべての人に当てはまる結果ではありません[4]。
内視鏡額リフト(endoscopic brow lift)は、内視鏡を使って額の内側の構造を扱う方法です。2022年の文献は、眉を引き下げる筋肉(depressor muscle)を調整し、骨膜の下を広く剥離する過程が眉の下がりの修正に働くと説明しており、結果が期待に届かなくなる技術上の落とし穴もあわせてまとめています[3]。
回復とリスク
注射による治療は回復の負担が少ないものの、効果は3〜4か月ほどの一時的なものなので、保つためには繰り返しの注射が必要です[1]。手術には切開と傷あと、回復期間が伴い、直接法では眉のまわりに切開線ができ、内視鏡による方法も技術上の落とし穴によって結果が変わりうるとまとめられています[3, 4]。
上まぶたの下がりと眉の下がりが同時にある場合は、片方だけを修正しても、希望する結果にならないことがあります。手術の前に左右差やまぶたの下がりを見つけて、あらかじめ話し合っておくべきだという指摘も、この点に関係しています[5]。
今回参考にした論文の要旨は、おもに手技を説明するレビューだったため、手術ごとの合併症の頻度や効果の持続期間は数値で示されていませんでした。皮膚の厚み、眉の形、筋肉の力は人によって異なるため、結果にも個人差があります。
カウンセリングで確認したいこと
額のしわと眉の下がりは、原因と程度によって、注射で十分な場合もあれば、手術を検討したほうがよい場合もあります。診察を受けるときに、次の点をいっしょに確認してみてください。
- しわが表情を動かしたときだけできるのか、何もしていなくても見えるのか
- 眉の下がり、まぶたの下がり、まぶたの皮膚のたるみ、それぞれの程度
- 注射による治療の予想される持続期間と、眉の下がりなどの副作用の可能性
- 手術をする場合の切開の位置と傷あと、回復期間
- 左右差の有無と、希望する結果
よくある質問
参考文献
- Small R. Botulinum toxin injection for facial wrinkles. Am Fam Physician. 2014.PubMed 25077722
- Newberry I, Cerrati EW, Thomas JR. Facial Plastic Surgery in the Geriatric Population. Otolaryngol Clin North Am. 2018.PubMed 29779613DOI
- Zins JE, Coombs DM. Endoscopic Brow Lift. Clin Plast Surg. 2022.PubMed 35710151DOI
- Perry JD, Hwang CJ. Direct Browlift. Clin Plast Surg. 2022.PubMed 35710156DOI
- Hahn S, Holds JB, Couch SM. Upper Lid Blepharoplasty. Facial Plast Surg Clin North Am. 2016.PubMed 27105797DOI
この記事は、DOY JUN美容外科が海外の学術誌に掲載された論文の要約(抄録)をもとに韓国語でまとめた一般的な健康情報を、翻訳したものです。治療方法や結果は個人の状態によって異なるため、正確な診断と治療計画は専門医へのご相談でご確認ください。

