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糸リフトの効果と持続期間

糸リフトとはどのような施術か、効果と持続期間についてのシステマティックレビューの評価、糸の種類による違い、起こりうる合併症とカウンセリングで確認したいことを、研究論文の要旨をもとにまとめました。

参考論文 6件

要点まとめ

  • 糸リフト(thread lift)は、たるんだ顔の組織を手術をせずに引き上げようとする方法として紹介されてきました[1]。
  • 2018年のシステマティックレビューは、効果や安全性を裏づける実質的な根拠はこれまでほとんど増えておらず、2件を除くすべての対象研究で、引き上げ効果の持続はせいぜいごく限られたものだったと評価しています[1]。
  • 2021年のレビューも新しい根拠は加わっていないと報告し、施術を希望する方には、副作用、効果の持続期間、データが限られていることを十分に伝える必要があるとしています[2]。
  • よくある合併症には内出血、痛み、腫れ、出血、皮膚のくぼみがあり、感染、肉芽腫、糸の移動、神経損傷、耳下腺の損傷といった深刻な問題は、頻度は低いものの対処が難しいと報告されています[3]。

糸リフトとはどのような施術ですか

糸リフトは、針を使って皮膚の下に糸を入れる施術で、たるんだ組織を引き上げるときには、小さなトゲ(コグ、cog)のついた糸で組織を引っかけて持ち上げることが一般的です。こうした糸は一般的な手術用の縫合糸とは区別される材料と説明されており、種類によって構成、目的、性能はさまざまで、素材もポリジオキサノン(PDO、polydioxanone)にとどまらず、多様になってきています[4]。

糸リフトが注目される理由は、手術との違いにあります。あるレビューは、フェイスリフト(rhytidectomy)のような手術は費用がかかり、全身麻酔が必要になることが多く、傷あとや長い回復期間といったリスクがあると説明したうえで、糸リフトをその代わりとなる方法として紹介しています[5]。同じレビューは、よい結果と満足のためには、適切な患者さんを選ぶことが非常に重要だと強調しています[5]。

効果と持続期間、根拠はどの程度ありますか

2006年のあるレビューは、糸リフトはまだ初期の段階にあるものの、役に立つ施術になる可能性が高いと考えていました[1]。その11年後に同じ問いをあらためて検討した2018年のシステマティックレビューは、検索で見つかった188件のうち基準を満たした12件を分析し、その間、効果や安全性の面でその期待を裏づける実質的な根拠はほとんど加わっていないと結論づけています[1]。

このレビューでは、2件を除くすべての研究で、引き上げ効果の持続はせいぜいごく限られたものだという結果でした[1]。よい結果を示した2件は、糸のメーカーの支援を受けた研究でした[1]。

2021年のレビューも直近10年間の論文をあらためて検索し、臨床研究20件と実験研究2件を検討したうえで、糸リフトは有望な方法と考えられてはいるものの、使用を裏づける新しい根拠は加わっていないと報告しました[2]。この施術の人気は、データよりも患者さんの需要に後押しされている面が大きいという指摘もありました[2]。また別のレビューも、根拠は限られていて、多くの研究にさまざまな程度のバイアス(bias、偏り)があるとしています[6]。

そのため、効果が何か月、あるいは何年続くと言えるような信頼できる数値は、今回参考にした論文の要旨には見当たりませんでした。持続期間の見込みについては、診察を受けたうえで、ご自身の状態に合わせて担当医と相談することをおすすめします。

糸の種類による違い

糸は、体内で溶ける吸収性の糸と、溶けない非吸収性の糸に分けられます。素材を扱ったレビューは、2つの種類の効果と持続性についての観察を紹介し、品質のよい吸収性のコグ糸(cog thread)の効率のよさを強調しています[4]。また、糸を選ぶときには持続期間だけでなく、さまざまな要因をあわせて考える必要があるとしています[4]。

ただし、これは素材の特性をまとめたレビューであり、糸の種類による効果を数値で比較した結果は、論文の要旨には示されていません。どの糸を使うのか、またその理由は、カウンセリングで別に確認することをおすすめします。

起こりうる合併症

糸リフトは比較的リスクの低い施術と紹介されることもありますが、それは顔の解剖をよく理解している医師が行うことを前提とした説明です[6]。2025年の合併症についてのレビューによると、軽い内出血から深刻な構造的損傷まで、さまざまな合併症が起こりえます[3]。

よくある合併症は内出血、痛み、腫れ、出血、皮膚のくぼみ(dimpling)で、不適切な施術の手技や解剖学的な要因によって起こることが多くありました[3]。感染、肉芽腫(granuloma)、糸が本来の位置からずれる糸の移動(thread migration)、神経損傷、耳下腺(parotid gland)の損傷といった深刻な問題は、頻度は低いものの対処が難しいものでした[3]。

対処の方法としては、マッサージ、生理食塩水やフィラーの注射、ボツリヌストキシン(botulinum toxin)、長引く場合や重い場合の外科的な処置が紹介されています[3]。超音波で確認しながら施術する方法は、特に唾液腺や血管の損傷のリスクを減らすうえで効果を示したとされています[3]。施術の後にくぼみや痛みが長引いたり、熱っぽさや膿など感染が疑われる症状が出たりした場合は、ご自身で何とかしようとせず、施術を受けた医療機関で診察を受けてください。

どのような方に検討されますか

あるレビューは、糸リフトを手術の代わりとなる方法として、あるいはフィラー、筋肉の働きをゆるめる注射(neuromodulator)、手術といったほかの美容治療と組み合わせて用いられる方法として説明しています[6]。適切な患者さんを選ぶことが結果にとって非常に重要だという点も強調されています[5]。

システマティックレビューで、2件を除くすべての研究の効果の持続がせいぜいごく限られたものだったことを考えると、長く続く変化を期待する場合には、ほかの方法とあわせて比較してみる必要があります[1]。糸リフトがフェイスリフトと同じ結果をもたらすことを示す根拠は今回の資料にはないため、たるみの程度と希望する結果をふまえて、専門医といっしょに選択肢を検討することをおすすめします。

カウンセリングで確認したいこと

2021年のレビューは、糸リフトを希望する方は、副作用、効果の持続期間、効果についてのデータが限られていることについて、十分な説明を受ける必要があるとしています[2]。カウンセリングでは、次の内容を尋ねてみると役立ちます。

  • 使用する糸の素材と種類、その糸を選んだ理由
  • 期待できる変化の程度と、持続期間についての説明
  • よくある合併症と、まれではあるものの深刻な合併症
  • 合併症が起きたときの対処と連絡方法
  • フィラーや手術といったほかの選択肢との比較

よくある質問

糸リフトの効果は、どのくらい続きますか?
システマティックレビューでは、メーカーの支援を受けた2件の研究を除く研究で、引き上げ効果の持続はせいぜいごく限られたものだと報告されています[1]。効果が続く期間を何か月と言い切れるような信頼できるデータは、今回の論文の要旨にはありません。一人ひとりの状態によって異なるため、診察を受けたうえで説明を聞くことをおすすめします。
溶ける糸は、溶けない糸より優れているのですか?
素材を扱ったレビューは、品質のよい吸収性のコグ糸の効率のよさを強調していますが、糸を選ぶときには持続期間以外にもさまざまな要因を考える必要があるとしています[4]。2つの種類を直接比較した数値は論文の要旨になく、どちらが優れているとは言い切れません。
施術の後に皮膚がへこんだら、どうすればよいですか?
皮膚のくぼみは、よくある合併症のひとつとして報告されています[3]。同じレビューは、合併症への対処としてマッサージ、注射、長引く場合や重い場合の外科的な処置などを紹介していますが、どの方法が合うかは原因と程度によって異なります[3]。ご自身で対処しようとせず、まずは施術を受けた医療機関で診察を受けることをおすすめします。
糸リフトで、フェイスリフトの代わりになりますか?
糸リフトは、手術の代わりとなる方法や、ほかの治療と組み合わせる方法として紹介されてきました[6]。しかしレビューでは、効果と持続性を裏づける根拠はまだ不足していると評価されています[1, 2]。たるみの程度や希望する結果によって合う方法は異なるため、専門医と相談して決めることをおすすめします。

参考文献

  1. Gülbitti HA, Colebunders B, Pirayesh A, et al. Thread-Lift Sutures: Still in the Lift? A Systematic Review of the Literature. Plast Reconstr Surg. 2018.PubMed 29481392DOI
  2. Atiyeh BS, Chahine F, Ghanem OA. Percutaneous Thread Lift Facial Rejuvenation: Literature Review and Evidence-Based Analysis. Aesthetic Plast Surg. 2021.PubMed 33471152DOI
  3. Yi KH, Park SY. Facial Thread Lifting Complications. J Cosmet Dermatol. 2025.PubMed 39760325DOI
  4. Hong GW, Kim SB, Park SY, et al. Thread Lifting Materials: A Review of Its Difference in Terms of Technical and Mechanical Perspective. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2024.PubMed 38737945DOI
  5. Kochhar A, Kumar P, Karimi K. Minimally Invasive Techniques for Facial Rejuvenation Utilizing Polydioxanone Threads. Facial Plast Surg Clin North Am. 2022.PubMed 35934439DOI
  6. Halepas S, Chen XJ, Ferneini EM. Thread-Lift Sutures: Anatomy, Technique, and Review of Current Literature. J Oral Maxillofac Surg. 2020.PubMed 31838095DOI

この記事は、DOY JUN美容外科が海外の学術誌に掲載された論文の要約(抄録)をもとに韓国語でまとめた一般的な健康情報を、翻訳したものです。治療方法や結果は個人の状態によって異なるため、正確な診断と治療計画は専門医へのご相談でご確認ください。

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