要点まとめ
ワシ鼻とはどのような状態ですか
ワシ鼻は、横から見たときに鼻筋の中ほどがふくらんで突き出ている形を指す、一般的な呼び方です。医学的には鼻筋のこぶ(dorsal hump)と呼ばれ、上側の鼻の骨と下側の軟骨がともに突き出ていることが多くあります。
鼻筋の中間部分(middle vault)は、外側鼻軟骨(upper lateral cartilage)が上側では鼻の骨に、内側では鼻中隔軟骨につながってできています[1]。こぶを小さくする手術ではこの部分に手を加えることになるため、形だけでなく呼吸の機能まであわせて考える必要があります。
年齢を重ねるにつれて、こぶがより目立ってくることもあります。55歳以上の鼻整形を扱ったシステマティックレビューは、加齢した鼻の特徴として、軟部組織のやせ、骨の弱まりと吸収、鼻先の下垂、鼻の空気の通り道がつぶれる鼻弁の虚脱(nasal valve collapse)とともに、鼻筋のこぶが目立ってくることを挙げています[5]。
手術でこぶを小さくする流れ
手術では、突き出た骨と軟骨を削ったり切り取ったりして、鼻筋の高さを低くします。こぶを取り除いた後は、鼻の骨の輪郭を整え直すために、鼻の骨を切る骨切り(osteotomy)をあわせて行うことが多くあります。
骨切りは鼻整形の重要な手技で、アプローチの経路や方向、器具がさまざまであり、広く標準化された分類や名称はないと説明されています[2]。あるレビューは、予測しやすい骨折と再現性のある結果を得るために、内側、外側、横方向の骨切りで鼻の骨の周りを額縁のように囲んで切ることが重要だとまとめています[2]。
同じレビューは、皮膚を通して行う骨切り(percutaneous osteotomy)がますます多く用いられていること、また中間の骨切りはあまり用いられないものの、より大きな動きが得られることを説明しています[2]。どの組み合わせを用いるかは、鼻の骨の形と必要な変化によって決めます。
鼻筋の中間部分の再建はなぜ必要なのですか
こぶを切り取った後は、鼻筋の中間部分をどう処理するかが重要になります。あるレビューは、初めての鼻整形で中間部分の再建が必要になる場合として、中間部分が狭い場合、鼻筋のこぶを切除した場合、中間部分が曲がっている場合、中間部分が左右非対称な場合を挙げています[1]。
中間部分を適切に扱えないと、機能と形の両方に悪い影響が出ることがあると説明されています[1]。再建の方法としては、1980年代に紹介されたスプレッダーグラフト(spreader graft)が、今も標準的な修復方法とされているとまとめられています[1]。
フィラーを用いた手術をしない方法
フィラーでこぶの上下を埋めて鼻筋をなだらかに見せる、手術をしない鼻整形(nonsurgical rhinoplasty)もあります。ヒアルロン酸フィラーを鼻筋のふくらんだ部分の上と下に注入して高さをそろえる方法で、こぶそのものをなくすのではなく、周りを埋めて目立たなく見せるしくみです[3, 4]。
米国のデータによると、フィラー注射は手術をしない美容施術のなかで2番目に多く行われており、手術をしない施術全体の約26%を占めています[3]。同じレビューは、手術をしない鼻整形の人気は大きく高まっているものの、米国では鼻へのフィラー注射は承認された範囲外の使用(off-label)にあたると説明しています[3]。
フィラーはリスクを伴う施術です。鼻の手術解剖と合併症への対処についての知識が、安全な結果に欠かせないことが強調されています[3]。鼻の血管の解剖、フィラーの選択、正確な注入位置への理解が必要だという説明もあります[4]。
合併症と結果を左右する要因
手術の場合、中間部分の処理が不十分だと、機能と形の両方に問題が起こることがあります[1]。骨切りについては、解剖を詳しく理解し、体系的に取り組んではじめて、鼻の骨の部分の輪郭と機能をうまく変えられると説明されています[2]。このほか、腫れや内出血、左右差、鼻筋の輪郭の凹凸といった問題が起こることがあり、回復の速さにも個人差があります。
年齢も考慮すべき要素です。加齢した鼻では軟部組織のやせや骨の弱まりが報告されており、この年代特有の注意点を治療計画に反映させるべきだと結論づけられています[5]。同じ研究で著者が手術した高齢の患者さん27名では、外傷後の変形(17名、63%)と鼻づまりの症状(10名、37%)が主な手術の理由でした[5]。
カウンセリングで確認したいこと
こぶの大きさや成り立ち、皮膚の厚さ、鼻全体のバランスは人それぞれ異なります。同じワシ鼻でも合う方法が異なることがあるため、診察でご自身の鼻の構造を確認したうえで決めることをおすすめします。
- こぶが骨の部分なのか、軟骨の部分なのか、その両方なのか
- 骨切りが必要かどうかと、その方法
- 鼻筋の中間部分の再建が必要かどうか
- 普段から鼻づまりなどの機能の問題があるかどうか
- フィラーを選ぶ場合のリスクと限界
よくある質問
参考文献
- Rudy S, Moubayed SP, Most SP. Midvault Reconstruction in Primary Rhinoplasty. Facial Plast Surg. 2017.PubMed 28388792DOI
- VanKoevering KK, Rosko AJ, Moyer JS. Osteotomies Demystified. Facial Plast Surg Clin North Am. 2017.PubMed 28340651DOI
- Saad N, Stallworth CL. Liquid Rhinoplasty. Facial Plast Surg Clin North Am. 2022.PubMed 35934437DOI
- Mehta U, Fridirici Z. Advanced Techniques in Nonsurgical Rhinoplasty. Facial Plast Surg Clin North Am. 2019.PubMed 31280849DOI
- Khetpal S, Gowda AU, Parsaei Y, et al. Rhinoplasty in the Older Adult. Aesthet Surg J. 2021.PubMed 33739380DOI
この記事は、DOY JUN美容外科が海外の学術誌に掲載された論文の要約(抄録)をもとに韓国語でまとめた一般的な健康情報を、翻訳したものです。治療方法や結果は個人の状態によって異なるため、正確な診断と治療計画は専門医へのご相談でご確認ください。




